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当館が舞台となった将棋ミステリー

盤上の向日葵バナー
『実業界の寵児で天才棋士。男は果たして殺人犯なのか?』

将棋とミステリーが題材となった今作は柚月先生デビュー10年目の集大成。二人の刑事が埼玉で起きた殺人事件の犯人を捜し、辿り着いた先が、将棋界最高峰のタイトル戦「竜昇戦」が行われている山形県天童市。殺人事件と将棋の駒を巡る著者渾身の将棋ミステリー。
盤上の向日葵・滝の湯

■読んでみての感想■
主観になってしまいますが、柚月先生曰く全作品の中でも一番文量の多い作品となった今作「盤上の向日葵」は、手にしたときにあまりの分厚さとページ数に驚きました。ページを開き、冒頭のシーンはなんと、二人の刑事がここ天童に降り立つところからでした。天童市にいるからこそ分かる情景かと思いましたが、天童に来たことがない方でもわかるように丁寧に描かれていました。これは、のちに登場する対局のシーンにも通じるところがあり、柚月先生は将棋自体幼少期から慣れ親しんだものであったが、わかるのは動かし方程度だったとおっしゃっておりました。そのような中、これほどまで正確に対局のシーンを描くということは容易ではなかったと思います。プロ棋士に監修していただいたこともあったかとは思いますが、将棋のことが分からなくてもその場の雰囲気やどちらが有利なのか…読み手にわかりやすい描き方ができたのは、やはり柚月先生の筆の力。「将棋がわからない自分がわかるように書くことで読者もわかるようになるはず」という言葉がとても印象に残っています。単純な犯人捜しのミステリーではなく、ただの将棋の勝負の世界を描いているわけではなく、登場する人物の人生を丁寧に描き、読み進める内に登場人物の誰かに感情移入ができるような作品になっています。実力で決まるフェアな世界「将棋」最初の一手がこの世に生れ落ちる「誕生」としたら、その先の一手は「人生の決断」どのような一手をうってきたか、どのような人生の決断をしてきたか、将棋盤の上も人生も数限りないドラマが繰り広げられます。このように柚月先生にお話しいただいたことが深く心に響きました。将棋がわからない方でも、引き込まれ楽しむことができます。自分が感情移入できる人物を見つけて読み進めてみてください。一気に読み終えることができる作品です。ラストは…是非、その目で心で感じていただければ幸いです。

■そして……■
柚月作品の「孤狼の血」が来年2018年5月12日、映画化 されます!
●「第69回日本推理作家協会賞」受賞
●「本の雑誌が選ぶ2015年度ベスト10」第2位
●「このミステリーがすごい!」第3位
●「第154回直木賞」ノミネート
話題を総なめした作品の映画化ということで、スクリーンで見たいですね!しかも豪華キャストが揃っております!役所広司さん・松阪桃季さん・真木よう子さん・江口洋介さん…警察小説×仁義なき戦いと評される傑作です!こちらも是非チェックしていただければと思います!

■最後に…■
なんだか、柚月先生の小説や映画化の話しばかりになってしまいましたが、当館滝の湯が「盤上の向日葵」の本文中で「神の湯」として出ております!竜昇戦(現実世界では、竜王戦)の会場「竜王の間」は当館の本館5Fにございます。ちなみに…竜王の間、泊まることができます!名勝負が繰り広げられた空気を感じながら将棋を指してみるのもいいかもしれません。
竜王の間

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